ゼミ6期生卒業しました

(2022/3/21)


 中村ゼミ6期生の皆さんが卒業しました。6期生はコロナに始まり、度々の緊急事態宣言、まん延防止法の実施など、なかなか対面での活動ができないという制約された中でのゼミ活動となりました。ゼミ生にとっても教員にとっても色々と挑戦のあった2年間でした。コロナ禍だからできなかったこと、コロナ禍だったからこそできたこと、私にとっては色々な意味で多くの収穫があった2年間でした。ゼミ生の皆さんには学生時代にできたこと、できなかったこと、色々な思いがあったと思います。それも含めて、学生時代の成果を活かして、社会人として活躍されることを期待しています。ではまたOB・OG会などでお会いしましょう!

京都紋付を訪問しました

(2022/3/9)


 京都紋付は紋付袴の黒染めで100年以上の歴史を持ついわゆる老舗企業と言われる企業ですが、最近では黒染めの技術を古着のアップサイクルに活用するというビジネスモデルで注目されています。最近のSDGsの流れもあり、マスメディアにもしばしば取り上げられている企業ですが、今回は同社のご厚意で作業の様子、アップサイクルビジネスの取り組みについてお話を聞かせていただきました。
  同社の黒染めの技術は天然繊維と化学繊維では染まりが異なるとのことで、古着や鞄などを染めた場合、どんな姿で帰ってくるのか、その辺りはお客様のお楽しみになるとのことです。また、同社独自の技術である新黒加工により、通常の黒色よりもより鮮やかな色になるとのこと、さらに同加工を施すことで撥水性も機能付与されるとのことです。
  他の製品とは異なり、アパレルは多様な素材とデザインのために材料化するリサイクルが難しいとされる一方、もともとある素材やデザインを活かした新製品開発であるアップサイクルが注目されています。昔の人が古い着物を別の用途に仕立て直すという家庭の知恵を、ビジネスとして社会化するというのがアップサイクル、ということなのかもしれません。環境配慮、資源制約というとしばしば「我慢」ということと結び付けられがちですが、環境配慮という条件を「創造」の種に変えることも可能。余計なものを買わず、使わず、長く使う・・・だけど生活の変化という刺激は欲しい。刺激だけを強調すれば我儘に見えるかもしれませんが、そうした一見すると矛盾することの中に創造の種はある。「ビジネスを発見し、ビジネスを創造する」ということのグッドプラクティスを勉強させていただきました。ありがとうございました。

繊維・未来塾10周年記念企画参加しました

(2022/2/26)

 
     繊維・未来塾の発足から10年を節目とする記念シンポジウムに参加してきました。前半はアイソトープ株式会社相談役の金澤克哉氏、Shoichiの代表取締役山本昌一氏、KAPOK JAPAN代表取締役社長の深井喜翔氏によるシンポジウム、後半はアパレル業界の動向に精通されている小島ファッションインターナショナル代表取締役の小島健輔氏による最近の繊維・アパレル業界を取り巻く情勢の講演でした。

   前半後半とも大変興味深い内容でした。前半はそれぞれビジネスの内容は異なりましたが、時々の日本の繊維・アパレル業界が抱える課題と解決の技術的可能性をいち早くキャッチし(アイソトープ:中国の世界の繊維・アパレル工場化と対抗しうる技術としてのホールガーメントの可能性、Shoichi:アパレル在庫問題と新たな商流の可能性、KAPOK JAPAN:アパレルのサーキュラリティ問題KAPOK繊維の可能性)、そのビジネス化の難しさを克服するための不断の努力と集中的投資を通じての『コアコンピタンス』の確立、という点で共通していると思いました。また「できない」理由を考える前に「どうしたらできるかを考える」という姿勢と行動も共通していると思いました。

   また後半の小島氏の話は、越境ECの成長、古着市場の国際的な変化、VR、メタバースという新たなファッション発信方法の急成長など、現在の繊維・アパレル市場の厳しい側面ではなく、コロナという時代状況の中で新たに生まれてきているものに着目することの重要性を語っておられました。

  『成功体験を捨てる』、新しい状況にビジネスをトランスフォームすることの重要性は、ダイナミック・ケイパビリティ、イノベーションのジレンマ、両利きの経営など、経営学では経営戦略論、イノベーション論で議論されています。外的環境をベースに戦略を考えるポーターらの経営戦略論、企業内の状況をベースに戦略を考えるバーニーらのVRIO理論、その中間形態的理論など様々にありますが、今回のお話と会場での議論を聞いている中で、まさにそうした議論のやりとりがなされていると感じました。おそらく大事なことは、何が唯一の絶対の回答ということではなく、議論を通じて各社のビジネスモデルを客観化すること、各社が自身のビジネスモデルへの核心を形成していくことで、それには繊維・未来塾のように、ネットワークの力を使って、自立・自律・連携を通じて相互に「個性」を発見し、高め合っていくことなのだろうと思いました。これは組織一般に当てはまるもので、教育現場に置き換えて考える際にも多くのヒントをいただけました。改めて参加の機会をいただき感謝申し上げます。

ゼミOB・OG会しました

(2022/1/29)

 オミクロン株の影響もあり、今年は残念ながらオンラインでOB・OG会を実施しました。前半はZoom話題提供とブレークアウトルームでの交流、後半はGathertownで自由交流をしました。OB・OGの皆さんには大変な最中、学生の様々な相談に乗っていただき感謝申し上げます。
 画面越しではありますが、久しぶりにお会いできたOB・OGの方にお会いできました。次回は是非とも対面で!

3回生ゼミの活動総括しました

(2022/1/21)

 今年度のゼミ活動でどんな活動成果を得られたかを話し合いました。そこでは、チーム作り(意識的なコミュニケーション、信頼に基づく役割・分担、タイムマネージメント)、研究の進め方(幅広い調査を通じてのリサーチクエスチョンの具体化、多様な研究・調査手法の取得、研究計画の策定と柔軟な修正)、チーム間での信頼関係(伝える、質問・意見をする、聞く、次の課題としてフィードバックする)などを確認しました。ここで確認したことは、単に研究やゼミの諸活動を超えた社会活動にとって普遍的な内容。そうしたことを自分たち自身で発言する、共有すると言うことが何よりの成長。良い総括の会となりました。
 また、ゼミ運営ではゼミ長、副ゼミ長から、今年の運営が大変でもう一人副ゼミ長が欲しいというリクエスト。ゼミ運営をほぼゼミ生が行うため、そのリーダー的な位置にあるゼミ長、副ゼミ長は大変(毎回の獲得目標、タイムスケジュール、各役職への指示、司会進行など)。そこで急遽、2人目の副ゼミ長を選ぶ選挙を実施。他推選挙にしたところ、多数の推薦が拮抗、やっと3回の選挙で決まりました。副ゼミ長を任せられると考えられる人が多くいるというのも、お互いに良い発見だったのかなと思いました。

ゼミの打ち合わせをしました

(2022/1/17)


 ゼミ8期生と今後のゼミ活動について交流しました。先月から久しぶりでしたが、ちょっとしたゲームなどをして早くも打ち解けた雰囲気。2、3月には見学企画、学習会、交流企画などをしようということになりました。

ゲスト講演企画しました

(2022/1/14)

 日本のPETボトルリサイクルの中心的企業の一つである協栄産業株式会社の代表取締役社長、古澤栄一さんに、同社のPETボトルリサイクルの思い、事業化の歴史、現在の取り組み、展望などについてお話しいただきました。
 古澤社長には2016年よりゲスト講演にお越しいただいております。毎年、同社のビジネスに対する社会的関心が広がっていることに驚かされます。昨今では、パーパス経営、経営における理念の重要性などが言われていますが、得てして顕在的な社会的なニーズにビジネスをどう適合させるか、という観点に陥りがちです。その点で、同社はボトルをボトルに戻すという社会的ニーズすらもなかった(それどころか逆風する吹いている)状態からステークホルダーを説得し、味方にしてきています。今でこそSDGs、サーキュラー・エコノミーという用語が流行り、当たり前になりつつあります。ですが「本質的に社会的に必要なこと」と「当該の社会システムのニーズ(需要)」は常に一致するとは限りません。その時に、個人・組織はどうするのか。現状に合わせて自らを変えるのか、現状を変えるために何をどうチャレンジするのか。社会を変える、イノベーションを起こすには、「変わる」と「変える」の二つが重要。そうした問いかけのある講演会でした。ありがとうございました。

繊維・未来塾(第37回)に参加しました(2021/12/18)

  「繊維・未来塾」は、日本繊維機械学会の運営のもと、日本の繊維、アパレル関連の中堅・中小で先駆的取り組みをしている企業様が集まって、国内の繊維・アパレル業界の新たな産業基盤構築、日本の繊維・アパレル業界の次世代を担う人材育成の育成を目的に組織された組織とのことです。今回で創設から10年目を迎えるとのことでした。今回の企画では、昨今の新たな動きであるアップサイクルに関わって、繊維・アパレルのアップサイクルに取り組まれている株式会社カラーループ、株式会社京都紋付、有限会社井上企画・幡の皆様の取り組み、さらに近年の繊維・アパレルリサイクル、サーキュラ・エコノミーの動向について木村照夫先生(京都工芸繊維大学・名誉教授)の講演を聞くことができました。全体の動向もさることながら、各社ともに共通する興味深い点として、「社会的課題に対するアンテナの感度の高さ」「トライアンドエラーを通じての課題の明確化」「基盤となる経営理念と技術」があるなと感じました。昨今、アメリカ経営学では「パーパス経営」という用語が登場し、日本でも流行りつつありますが、そんな言葉はここの皆さんには不要だな、と思わせる迫力の講演と議論でした。昨今、リサイクルではなくアップサイクルという用語が急激に流行りつつあります。これはリサイクルの経済性に困難性があるものに対して「感情的価値」(ストーリー、満足度など)を付与することで、経済性と資源循環性を統合させようとするものです。経済性が困難なものを他の方法で解決するという意味では大変良いのですが、「経済性の合わないものは、とにかくアップサイクルという言葉を使って何かに廃棄物を転換したら良い」という少し危ない雰囲気に向かいつつあるように思います。その意味で、アップサイクルが「バズワード」で終わるのか、真の意味で循環型社会形成の「キーワード」になるのかは、今回講演された企業のような取組がさらに広がっていくことにかかっていると思いました。
 今次のSDGsやサーキュラー・エコノミーの提起は、これまでの開発・生産・消費・廃棄という循環構造の転換ということを問いかけており、かつて「集積の利益」といわれてきた「柔軟性の低い」大量生産技術のシステム(消費への柔軟性の低さ、過剰設備であるが故の設備更新の柔軟性の低さ)から、情報技術・インフラという新たな技術を基盤とする「小回りのきく」「柔軟な」ネットワーク型の生産システム(結果としての質的・量的な社会ニーズの充足)への移行、さらには自然や社会の循環スピードとの統合的過程への移行ではないかと期待しています。また、情報技術・インフラの成長に伴い、多様なニーズを消費者・消費行動を「市場」として(再)発見できていることも大きな変化であると思っています。これからは柔軟性・多様性・創造性のある中小・中堅企業の連携を通じて、そうした多様な消費者・消費行動を「市場ニーズ」としてキャッチし、「見えるもの・企業・産業」になっていくことが重要ではないかな、などと感じています。今回の講演内容はそうしたものを期待させるものとして大変楽しいものでした。ありがとうございました。

京都紋付 Webページ http://www.kmontsuki.co.jp/movie.html
京都紋付のプロモーション映像 https://www.youtube.com/watch?v=XKmTWP6dkkE
株式会社カラーループ Webページ https://www.colourloop.net/
有限会社井上企画・幡 Webページ https://www.asa-ban.com/

8期生の初回集まりをしました(2021/12/13)


  初回の集まりでは自己紹介ならぬ他己紹介をしました(右は他己紹介をするための準備の様子)。皆さん、お互いのいいところを紹介するのが対面上手で、その後の他己紹介ではお互いの良いところをうまく紹介していました。
  とりあえず冬休み期間(1-3月)も交流を深める企画をできればという話で進めています。次回は1月中旬に開催予定です。

ゼミナール大会参加しました(2021/12/11)

 経営学部ゼミナール大会に参加しました。中村ゼミでは6班参加しましたが、全部で50以上の班が参加したとのことです。
今年はソーシャルディスタンスに配慮しつつ、対面での実施ができました。

ゲスト講演企画しました

 ドイツの中堅企業として有名なヴィッテンシュタイン(減速機メーカー)の日本法人代表取締役の武田康雅さんに、ドイツの中堅企業の特徴、インダストリー4.0に関わっての同社の取り組みについてお話を伺いました。特に、研究開発、人材育成における日独の基盤的条件の違い(工科大学、研究機関と地域の中堅・中小企業の域内連携)は大きいと感じました。また、隠れたチャンピオン企業として名高い同社がどのようにしてそのような地位を確立し得ているのかについても興味深い話を聞くことができました。(2021年12月10日)

エコプロダクツ2021いってきました

 エコプロダクツ2021(東京ビックサイトにて開催)にいってきました(学生、院生有志で)。各種環境配慮型製品を展示していましたが、特にマイクロプラスチック問題に関わって、プラスチック代替、リサイクルに関連するビジネス提案が多いのが特徴でした。また、見学者には小学生、中学生などが多数見られ、環境教育の効果もさることながら、将来の大学生、さらには消費行動の変化を予期させるものでした(2012年12月9日)。

工場見学行ってきました


  ゼミ生、大学院生の有志で泉大津市にある「大津毛織株式会社」を訪問しました。同社は100年以上の歴史のある企業で、現在は様々な繊維(アルパカなど)を扱っているとのことで、少量多品種でかつ商品力を提案する企業として新たに取り組んでいるとのことで、臼谷社長よりその熱い思いを語っていただきました(2021年12月6日)。

大津毛織株式会社 Webページ https://otsukeori.co.jp/

日本工芸博覧会行ってきました(2021/11/26)

日本工芸博覧会が万博公園にて開催されました(11月26-28日)。全国から約50の企業が集まって、各社の技術体験、製品を体験するという企画でした。

和蝋燭の絵付けの様子
  和蝋燭といっても各社で絵付けの仕方が違うとのことでした(ゼミ生談)。

木製のコースターの製作の様子
  接着剤なしでコースターの中の柄を組み付ける作業の体験。ものによってはパーツ同士のバランスだけで安定させるために組み付けるのが大変!とのこと(ゼミ生談)。

世の人すべてにそれぞれが情熱を持って取り組める何かがあると思います。お仕事の場合、それはお客様のためであることが多いですが、私たちの成長やスキルの向上につながることもまたあります。

錫器の製作の様子
 木型と砂(粘着性があります)を使って型を作り、その中に溶けた錫(250度以上!)を流し込んで製作します。これで鋳物が出来上がります。

こちらは今回の展示会用に特別に準備された「たたら」です。中世日本の鉄の生産方法になります。こちらは煉瓦積みですが、中世は土壁で作っていました。本来は三日三晩熱し続けるとのことですが、近年の方法は一晩とのことです。

こちらはたたらで熱した後のものです。木炭と砂鉄を熱し続けると、このような塊になります。こちらから余分な成分を取り出すと鋼の出来上がり。当日は「玉鋼」として紹介されていました。(鬼滅の刃でも紹介されていました。鬼滅隊の剣の原材料です)。

貝塚オープンファクトリー行ってきました(2021/11/6)

偶然にも日経新聞を見ると、なんと貝塚の企業が集まって一般向けに工場を開放するお取組があることを発見。
早速、予約し、学生と行ってきました。

最初に見学したのは泉和鉃工所様。金属切削加工をしている企業ですが、最近、独自商品として鉄板プレートを開発。なんと全て切削加工で作ったとのこと!

なぜ請負を中心していた切削加工の企業が独自商品を開発するようになったのか、その思いを熱く語っていただきました。

次に見学したのはテラシタ様。タオル製造をしている企業です。こちらではエコバックとタオルのプリント染の体験をさせていただきました。プリントはさっとできるのに、色を変える度に器具を全て洗う必要があるとのことで、準備の大変さを知ることができました。

ファクトリズム行ってきました(2021/10/24)

東大阪の企業様による企画「ファクトリズム」。2021/10-21-24の期間の開催で平日は工場見学の企画ありました。今回は日曜日のワークショップ(時計づくり)に参加しました。


各社が普段使っている方法を活用して時計を作るというイベントで、小さい子供も参加OK。実際に手伝ってくれているスタッフが工場で働いている従業員の方とのことでしたが、若い方が多く活気のあるワークショップでした。